煮干しと白味噌の汁に、大根、にんじんなどを入れ、丸もちを入れて食すお雑煮。もちの中にあんこが入っているのが特徴。味噌に白味噌を使うのは一説によれば保元の乱(1156年)に敗れ讃岐に流された崇徳上皇のもとへ、京から行き来する人々によって京都から伝えられたといわれる。もちの中にあんを入れるのは江戸時代、「讃岐三白(塩、砂糖、木綿)」と呼ばれた名産品の砂糖を、正月くらいは贅沢品を食べたいと庶民が小豆餡の形でこの料理に取り入れられたと思われる。現在でも香川では正月の定番料理となっている。
あんもち雑煮は、白味噌仕立てのスープに甘いあんが入った丸餅が特徴で、家族の円満を願っています。大根は輪切りにし、金時人参なども加えています。江戸時代には香川県でさとうきび栽培が奨励され、讃岐地方の白砂糖は「讃岐三白」の一つとして知られました。当時の砂糖は貴重品であり、一般家庭ではなかなか口にすることができませんでしたが、明治時代になると正月の特別な料理として雑煮に砂糖が使われるようになりました。
雑煮に用いる白味噌は、讃岐地方に流れ着いた崇徳上皇のもとに京都から伝えられたもので、冬季の調味料として多くの料理に使われてきました。あんもち雑煮は、正月におせち料理と一緒に楽しまれる一品です。白味噌は、大豆の量を減らして米麹を多くし、塩分を控え、12月ごろに仕込んで1か月ほど熟成させた甘口の味噌です。
具体的な食べ方は、煮干しでとった出汁に輪切りにした大根や金時人参を加え、具材が柔らかくなったらあん餅を入れ、餅が柔らかくなったら豆腐を加え、最後に白味噌を煮汁で溶かして入れます。椀の底に大根を敷いて餅がくっつかないようにし、その上にあん餅を入れ、彩りよく大根や金時人参を盛り付け、最後に青のりを振りかけて召し上がります。主な具材は大根、金時人参、豆腐であり、時に里芋や白ねぎも加えられることがあります。
主な伝承地域:県内全域
主な使用食材:餅(あん入り丸餅)、白味噌、大根、金時人参、豆腐など